院長ブログ
健康診断は大切です!
2016年9月12日
今回、ご紹介するのは、
「3日前から食欲がなく、お水を異常に飲む」と、
連れてこられた8歳のフレンチブルドッグの女の子の症例です。
検査をすると血液が半分程度しかないことが判明。
追加のレントゲンとエコー検査で、
脾臓に直径5cmもの腫瘍があり、そこが出血箇所と判明しました。
すぐに血液のマッチング検査を行ない、
適合するワンちゃんの血液を輸血しながらの手術となりました。
開腹してみると、そこには大量の血液が。
結果的には、100ccもの血液が吸引できるほどの出血量でした。
約2時間の手術で脾臓を摘出。
これで出血は止まったので、あとは病理組織検査で、
腫瘍が良性であることを祈るばかりです。
昨年、北千束本院での秋の健康検査を受診した約30匹のうち、
2匹から脾臓の腫瘍が、1匹から肝臓の腫瘍が発見されました。
脾臓腫瘍の1匹は残念ながら悪性でしたが、
残る2例は、良性腫瘍だったため、摘出後、今も元気にしています。
受診数は年度によって異なりますが、例年、10%程度の割合で腫瘍が見つかっています。
人間同様、動物の腫瘍も、早期発見こそが全快への近道!
そのためにも、できればワンちゃん、猫ちゃんにも、
年1回の健康診断をぜひとも習慣づけてください。
当院では、いくつかの健康診断コースをご用意していますが、
6歳未満の若く元気の良いワンちゃん、猫ちゃんの場合でも、せめて
胸部レントゲンと血液検査、尿検査、糞便検査の「かんたんパック」を。
7歳を超えたシニア世代や、若くても体調がすぐれないワンちゃん、猫ちゃんなら、
腹部レントゲンや心電図、腹部エコーがセットになった「あんしんパック」や、
心臓エコー、甲状腺ホルモン検査も加わった「まるごとパック」などがオススメです。