ワンちゃん、ネコちゃんが後ろ足をケンケンしていたり、足をひきずっていたりする場合、膝蓋骨(しつがいこつ)脱臼、通称「パテラ」と呼ばれる病気かもしれません。
当院では、ストレッチ療法、外科手術などを組み合わせて治療を行なっています。
膝蓋骨脱臼(パテラ)とは

膝のお皿(膝蓋骨)が本来収まっている溝(滑車こう)から脱臼してしまう病気です。
膝蓋骨脱臼にはグレードがあります
脱臼の程度により4つのグレードに分けられます。
グレードの数が大きくなるほど病態は進行していきます。
グレード1ほとんど脱臼しない。
脱臼しても正常な位置に戻せる
グレード2頻繁に脱臼するが、
脱臼しても正常な位置に戻せる
グレード3常に脱臼をしているが、
正常な位置に戻せる
グレード4常に脱臼していて、
正常な位置に戻せない
治療方法
膝蓋骨脱臼の治療方法には内科的療法と外科的療法があります。治療方法はワンちゃん、ネコちゃんの重症度、性格、飼い主さまのお考えなどからご相談のうえで決定いたします。
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内科的療法
毎日のストレッチ、必要に応じて内服薬を組み合わせて治療を行います。ストレッチは飼い主さまに獣医師がやり方をお伝えし、ご家庭で行っていただきます。
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外科的療法
手術を行うことで脱臼を改善させます。手術を行うかどうかは、診察のあと飼い主さまとご相談をして決定します。手術費用は片足11万〜25万円(〜10kg)です。
当院ではワンちゃん、ネコちゃんと飼い主さまの話をじっくりと聴くことを大切にし、本当に必要な治療を良心的な費用で行っていきます。
- ・手術をした方がいいと言われたけれど、本当に必要なのかな…
- ・麻酔が心配で手術をためらっている…
などございましたら、どうぞお気軽に当院にてご相談ください。
ストレッチ療法

グレードの低いワンちゃんでは、膝蓋骨脱臼と診断を受けていても無症状のこともあります。しかし、症状がないからと放っておくと膝の軟骨に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。当院ではグレードの低い子を主な対象に、ストレッチ療法を行なっています。
ストレッチはコツをつかめば飼い主さまも簡単に行なえるため、病院でやり方をお伝えして、ご自宅で毎日行っていただきます。
(ストレッチ方法は「岸上獣医科病院」で日本獣医外麻酔科学会専門医の岸上義弘先生よりご指導いただいた方法を採用しております。)
ストレッチ指導料 ¥2,200 ※別途診察料がかかります
膝蓋骨脱臼の手術の流れ
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1.手術当日
お預かり前に、手術方法や流れを獣医師と飼い主さまで最終確認いたします。 手術の術式は、ワンちゃん、ネコちゃんの重症度、性格などを含めて手術前に決定します。
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2.入院中
手術後2−3日でコルセットをつけたまま、当院のドッグランにてリハビリを開始します。
術後5日程度を目処にコルセットを外したリハビリを開始します。
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3.退院
7日間の入院を終え退院!
よくかんばりました!