院長ブログ
犬にとっても、肥満は万病の元
2016年9月18日
先週まで、内臓疾患の症例が続いたので、今回は外科の症例をご紹介しましょう。
訪れたのは、3歳のパピヨンの女の子。
飼い主さまの説明では、
「後ろ足を引きずり、両足ともガニ股で、カニさんのように歩いている」とのこと。
診察すると、後ろ足の膝蓋骨が内側に落ちており、それがガニ股の原因とわかりました。
人間で言えば、膝の関節ですが、脱臼してすでに1年以上が経過していると思われ、
すでに、じん帯の委縮が進行。
元の正常な位置に直す整復手術が必要だと判断しました。
手術時間は約5時間。膝の関節に歯科用ドリルで丁寧に溝を掘り、
膝蓋骨が内側に落ちないように、写真のようなチタン合金の器具で固定しました。
(写真は、色調を少々調整してあります)
膝の脱臼は、ヨーキー、チワワ、プードル、ポメラニアンなどの小型犬に多くみられます。
症状はグレード1からグレード4まで段階があり、
脱臼しても、自分で関節が入るグレード1からグレード2なら、
手術の必要はなく、張ったスジに鍼灸治療などを行なえば完治します。
ただ、グレード3からグレード4にまで進行し、
ケンケンをするような歩行状態になってしまうと、手術の対象になってしまいます。
関節のためにも、体重増加は要注意。
適正な体重、体型を保つことが、予防にもつながります。
P.S.
先週、ご紹介した脾臓摘出のフレンチブルドッグの女の子。
病理組織検査の結果は、良性腫瘍でした!
結果を聞いた飼い主さまは大喜び。
ワンちゃんもますます元気になっています!