院長ブログ
心臓病を甘くみると、バイアグラのお世話になりますよ!
2018年7月24日
猛暑が続いていますが、飼い主の皆さまもワンちゃんやネコちゃん達も、
体調を崩していませんか?
先日は、お部屋の中でクーラーをつけて飼っているのに、熱中症になってしまった柴犬が来院されました。呼吸がハァハァと早くなっており、熱も40度近くありました。
犬は汗を上手にかけないので、放熱による体温調節がうまくできません。
この猛暑をなんとか乗り切るため、熱がこもりにくくなるようにワンちゃんの毛を全身丸刈りしていただくよう、飼い主さまにお願いいたしました。
ワンちゃんの様子がいつもと違って呼吸が荒くなっている場合は、熱中症にかかっている可能性が高いので、濡れタオルや水をかけて体を冷やしてあげて、早めにご来院くださいね。
さらに、この暑さで心臓に負担がかかり、心臓病から肺に水がたまる「肺水腫」のワンちゃんが7月だけで3匹も来院されております。
そのうち2匹は、2年前に当院で心臓病と診断して心臓薬をオススメしていたのですが、それからは症状がまったく出なかったことから、飼い主さまのご判断で投薬されていませんでした。
しかし薬を飲まなかったがために、この2年間で、心臓がだんだんと拡張してしまいました。
この猛暑で、肺水腫と腹水をおこして来院となりましたが、もっと早くから薬をきちんと飲んでさえいたら、ここまで症状が悪化しなかったと思うと残念でなりません。
じつは犬の心臓病末期の特効薬は、違う目的で有名な、かの「バイアグラ」です。
バイアグラはもともと、心臓病の治療薬として開発されました。しかし、たまたま臨床試験を受けていた患者に「違う効果」が認められたため、途中で用途を切り替えて開発に成功したのです。そのため現在では、ペットの心臓病の治療薬としても活用されています。実際、このバイアグラのお陰で、当院では現在、ヨーキー、バピオン、チワワの3匹が元気に暮らしております。
ただし日本製のバイアグラは高価なため、当院では個人輸入でオーストラリア製のバイアグラを使用しております。
ワンちゃんの心臓病でお悩みの飼い主さまは、当院までご相談ください。
この夏、まだまだ猛暑が続きます。ワンちゃんには普段よりも短めにカットをする「サマーカット」が断然オススメです。
熱中症対策だけでなく、毛玉もできず清潔に保てるので、皮膚病の予防にもなりますよ。
ちなみに、僕もさらに髪を短くカットしました。
飼い主さんもワンちゃんも一緒にカットして、暑い夏を涼しく乗り切りませんか?