院長ブログ
レントゲン・エコー検査で、脾臓の腫瘍を発見。 10歳を過ぎたら、健康検査を受けましょう!
2021年6月18日
ムシムシ、モワ~とする季節が、今年もやって来ました。
ワンちゃんの汗腺は肉球の裏にしかないので、人間のように汗をたくさんかいて体温を下げることができません。
そのため高温多湿の日本の夏は、ワンちゃんにとって厳しいシーズン。気温が上がるとともに、夏バテする子や熱中症にかかる子が増えてきます。
ワンちゃんはハァハァと舌を出すことで体温調節を行っていますので、ハァハァのスピードが速くなり、
よだれを流し始めたら熱中症の初期症状です。くれぐれもご注意くださいね。
また、アトピー性皮膚炎のワンちゃんは、4月から9月いっぱいまでは辛い時期です。
朝、午前10時前後の散歩は、花粉がたくさん飛んでいるピークですので、午前10時前後の散歩はなるべく控えましょう。
散歩の時は、花粉がつかないように洋服やTシャツを着せてあげることがオススメです。
さて今回は、脾臓の腫瘍がおなかで破裂して大出血し、脾臓摘出したワンちゃんをご紹介いたします。
※ブログの一番下に、摘出した脾臓の腫瘍の写真がございます。
苦手な方はお気をつけください。
5月の連休前に、コーギー犬の12才の女の子が連れてこられましたが、元気がなく、食欲もありません。
嘔吐し、呼吸がいつもより早いということで、さっそくレントゲンとエコー検査をしたところ、脾臓に直径7センチもの腫瘍が見つかりました。おなかには大量の血液があり、脾臓からの出血だと診断。このまま放置すると大量出血で命に危険があると判断し、そのまますぐ脾臓摘出手術を行うことになりました。
写真のように、脾臓にゴルフボール大の腫瘍ができており、ここから大量出血していました。
術後の経過もよく、5日後には元気に退院することができました。
実は脾臓の腫瘍は、8割が「血管肉腫」という悪性腫瘍です。
しかし今回摘出した腫瘍は、病理検査の結果、良性腫瘍であると判明。オーナー様も私も、ほっと胸をなで下ろしました。
当院では毎年「秋の健康検査フェア」を行っていますが、5年前にもフェアを行ったところ、30匹中、なんと2匹に脾臓の腫瘍が、
1匹に肝臓の腫瘍が発見されたことがありました。
とくに10歳を過ぎたワンちゃんは腫瘍が見つかる可能性も高いので、年に一度は精密な健康検査をしてあげると良いと思います。
当院で毎年好評の「秋の健康検査フェア」は、2021年も10月1日(金)から12月28日(火)までの期間限定で開催予定です。
さまざまなパックがありますが、レントゲンやエコー、心電図で身体のすみずみまで精密に調べることができ、
甲状腺ホルモン、糖尿病マーカー、腎不全早期マーカー、炎症マーカーなども含まれた「まるごとチェック」が、
やはり一番おすすめです(要予約)。
人間もそうですが、健康検査を定期的に受けておくことで、がんなどの大きな病気を早期に発見でき、
健康寿命を延ばすことにつながります。
今の時期から、どうぞご検討ください。